臨床を考える

 

  • どうして多剤大量処方が多いのか
  • 非定型精神病薬は精神科医の治療と技術の衰退をまねいているかもしれない
  • 抗不安薬の依存について
  • 統合失調症の患者さんに病識を求める治療について
  • 適応障害などの患者さんの療養休暇は3か月は必要

3カ月の最初の2週間は頭から仕事を忘れるためであり、最後の2週間は仕事に復帰する準備をし始める患者さんがほとんどで、仕事を忘れて心身とも休養ができるのは実質2カ月である。したがって少なくとも3カ月の療養休暇が必要となると考えている。

  • 就労を急かせる害
  • なぜ電気痙攣療法を批判する論文やリサーチが少ないのだろう
  • 精神科医としての作法について
  • 医師に苦情を言えない不幸、悩みを聞いてもらえない不幸
  • 患者様とか傾聴とか、実のない軽々しさ
  • 薬は脳に作用し効くが、信頼関係があれば治療者の言葉や態度は「こころ」を介して、より適切に効果的に脳に作用する
  • 便通の改善を心がけよう

多彩な身体症状があって他科を何軒も受診し、検査は異常なしと言われて受診した方がおられた。症状は軽快したが、痔の手術歴があった。週に一回排便があるが軟便でも痛みがひどくて困っていることが分かった。どこでも緩下剤か下剤だけが処方されたが、便秘と痛みはなくならなかった。さっそく私なりの便秘改善用の処方をした。なんと排便が毎日あり、しかも排便時痛が消失したとのことだった。「先生はアンドロメダから来た異星人か」と言われた。自慢話ではない。便秘に無関心なドクター(内科や外科、ましてや心療内科でも)が多すぎると言いたいのだ。

以前の春に発達障害のシンポジウムがあった。最後にフロワーから当事者の母親と思われる方が質問した。場違いな発言ではあったが(それだけ深刻な悩みであったと考えてよいだろう)、「便秘で大変苦しんでいるが、先生たちはどう考えているんですか?」と思い余った様子で問うた。残念なことに、その質問に対して3人のシンポジストから適切な答えがなかった。

主にうつや神経症圏の患者さんに処方すると、なぜか4日目から効果が安定する。だからよほど困った症状(副作用など)が出ないかぎり飲み続けて服薬してからの情報を教えてほしいし、最初の一服で見切りをつけてやめてしまわないようお願いする。

体重についていえば、1~3週間の診察間隔で患者さんの体重変動を見抜く観察眼が必要である。統合失調症患者さんの肥満は非定型抗精神病薬の漫然投与と経過を診ない短い慢性化診察や医師の慢性化によるかもしれない。体重計を置かない診察室はその象徴だと思う。計測は担当医がやることが大切なのだ。

表情や身体の緩みについても同様だ。診察時の患者さんの顔や身体を診ない治療は治療責任がある医師としてはふさわしくない。5分診察でも最低限の義務としてやるべきだろう。治療は処方するだけではない。やっつけ仕事じゃないのだ。特に研修医にお勧めしたいことである。

治療抵抗性統合失調症と簡単に言うが、発症時から抵抗しているわけではないだろう。治療初期に抵抗させる要因があったのではないか?
かつての処遇困難例と大きな違いはないだろう。

 

患者の不安や緊張をほぐす医師やスタッフの態度や表情、言葉や音調などが最良の治療になることが少なくない。

われわれは患者や家族に希望を処方しようではないか。

それは確実に伝わることだ。

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